Fit in Passport に登録することで、あなたにフィットした店舗や、Fit in Passport会員限定のお得な情報をお届けします。

ページトップへ

260年以上の歴史 銀座の老舗であるということ

2016.05.20 update

銀座越後屋 1/3回目

呉服の老舗として知られる銀座越後屋は、260年以上もの歴史を持つ名店。

新潟出身の初代・永井甚右衛門が1755年に京橋伝馬町で藍染屋を始め、のちに呉服も扱うようになったのが発祥と伝えられています。


二代目のときに銀座2丁目に店舗を移し、現在まで同じ場所でお店を続けています。江戸時代から銀座で商いを続けている、稀有な老舗であり、1859年の帳簿「大宝恵(おぼえ)」を始めとする古い書類や大正期の店内や従業員の姿をおさめた写真などが「越後屋文書」として、中央区の区民有形文化財に登録されています。


ガス灯通りを京橋方面に向かって歩いていると、ひときわ目につく木目の看板。淡く、優しい色合いの反物や帯が並び、その一角は凛とした雰囲気に見えます。

「やはり呉服屋だとお店に入りづらいというご意見はいただきます。そういう場合は、百貨店に出店した時にお越しいただくと、お店のダイジェスト版として出店していますので、ラインナップが見やすいですよ。」そう話すのは、銀座越後屋の若旦那・永井勝久氏。
老舗の呉服屋でありながら、百貨店などで開催されている催しにも出店する銀座越後屋。そのこだわりについてお話を伺いました。


和装は、京都の「はんなり」としたイメージに対し、江戸は「粋」なイメージが一般的ですが、銀座越後屋では、きれいな「染め」にこだわっているのが特色。銀座の街の移り変わりに合わせて「垢抜けた」感じを意識し、現代らしい「透明感」があります。
伝統に裏打ちされた確かな品質を守りながら、銀座らしい現代的な感覚をとりいれているのは、銀座にある「呉服の老舗」ならではといえるでしょう。


染めのほとんどは京都で行われています。都内にも職人さんはいるのですが、現在はその数もかなり少なくなってきているようです。呉服屋の店頭でよく見かける「仮絵羽(かりえば)」とは、仮の仕立ての状態を言います。反物や仮絵羽からお客様の体型に合う着物へと仕立てあがるまでには、約1ヶ月を要します。


家業に関わるようになった頃、初めて覚えたお仕事が「反物を巻いてお客様に見ていただくこと」だったという永井氏。反物をするすると巻いて見せる動作は、惚れ惚れするほど見事なものです。若旦那らしい、頼もしい笑顔で語っていただきました。

「銀座越後屋」に関する記事一覧

銀座越後屋
東京都中央区銀座2-6-5(ガス灯通り 2丁目)