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「美味しい魚がいなくなってしまう」?!土佐料理の老舗が取り組む水産資源問題 - 祢保希

2016.05.31 update

祢保希 3/4回目

今回は、前回に引き続き「祢保希(ねぼけ)」の竹内太一(たけうちたいち)社長にご登場いただき、土佐料理の代表的な料理である「カツオのタタキ」のカツオや、「祢保希」の名物である「九絵鍋」に使われる「クエ」などの仕入れについて、こだわりを伺いました。


前回も触れたとおり「祢保希」では、カツオだけでなく、仕入れる魚の「大きさ」や「漁法」「天然物」にこだわっているそうです。(写真は、土佐名物「皿鉢料理」)。竹内社長曰く、これは「美味しいものを安定して提供したい」という理由に基づいているとのこと。いちばん美味しい頃合いのサイズの魚を選ぶのは当然として、なぜそれが水産資源の話に関わってくるのでしょうか。


「祢保希」は銀座のみならず赤坂を始め、いくつかの支店をもっているため、安定して良い魚を仕入れるためには、日々変化する漁獲量への配慮や、流通網の整備などが必要になります。100年近い歴史を持つ「祢保希」だからこそ、これからも安定して「美味しい魚」を提供するためには、流通網の整備だけではなく、全国各地に質の良い仕入れ先を作る必要があるのです。


竹内社長は、各地の海鮮問屋さんとのコミュニケーションを重視しているのですが、地球温暖化問題や漁獲量の調整(資源管理)といった、より根本的なレベルにも目を向けています。魚を獲り過ぎてしまうと、長期的に見れば漁獲量は減少してしまうし、穫れる魚の質も低下してしまう。「お客様に美味しい魚を食べて欲しい」というのは当然のこととして、「そんな綺麗事だけじゃなくて」と竹内社長が強調していたのは「そうやって美味しい魚を提供する努力をしなければ、日本の美味しい魚がいなくなってしまう」ということ。


「私の代はまだいい、今のままでは当店に限らず次の世代は大変だなと思っています」……朗らかな語り口の節々に現状への危機感が滲んでいました。

次回も「祢保希」で伺ったお話をお届けします。お楽しみに!

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祢保希
東京都中央区銀座7-6-8 (西五番街 7丁目)